「知財管理」誌
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掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 75巻(2025年) / 7号 / 823頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 統一特許裁判所における進歩性判断手法 |
著者 | 長谷川 寛 |
抄録 | 欧州単一特許制度の開始により統一特許裁判所による進歩性の判断基準が注目されている。本稿では、欧州特許庁のProblem Solution Approachとドイツにおける進歩性判断手法とを概説した上で、統一特許裁判所の判決に基づき進歩性の判断手法を分析する。欧州特許庁ではProblem Solution Approachが確立されている一方、ドイツではより柔軟な手法が用いられる。統一特許裁判所の判決は、技術的課題の特定手法において欧州特許庁と異なる点が見られる。特に、統一特許裁判所は複数のStarting Pointを認め、技術的課題の特定において欧州特許庁のProblem Solution Approachほど厳格な枠組みを適用しない傾向がある。これらの違いが特許実務に与える影響を検討し、統一特許裁判所における進歩性判断の特徴と今後の動向について考察する。 |
