「知財管理」誌

Vol.46 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 46巻(1996年) / 4号 / 607頁
論文区分 判例と実務シリーズ
論文名 No.217 生理活性物質測定法事件
著者 田中成志
抄録 原告は「生理活性物質測定法」の発明についての特許権者であり、被告が医薬品の確認試験に本件特許方法を用いているとして、その差止を求めた事案である。
 被告の確認試験の方法そのものの立証が出来なかったために、被告が自ら使用していると主張する方法は、本件特許方法と同等又はそれ以上の方法としてそれに代替し得る方法となり得るか、被告が薬事法に基づく製造承認を受けるための申請書にいかなる方法を記載していたかなどが具体的な争点となったが、本件では、原告は、被告の特許権侵害行為を立証することが出来ずに請求棄却となっている。本件訴訟では、被告の施設内における確認試験の方法についての特許権侵害が問題となっており、また薬事法に基づく製造承認書の記載事項は、申請者にとっての営業秘密を含むために、証拠収集が困難であった。訴訟手続における証拠収集、営業秘密の保護問題について、本件判決を素材として検討する。
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