「知財管理」誌

Vol.49 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 49巻(1999年) / 9号 / 1209頁
論文区分 論説
論文名 特許流通促進施策について
著者 会誌広報委員会、三原裕三校正
抄録 経済成長率の2年連続のマイナス成長、H.11.3期完全失業率4.8%の日本が、欧米に互し生き残るためには、技術競争力を強化せねばならない。米国では、1980年代以降のバイ・ドール法、中小企業技術革新促進法などに基づく知的財産権の活用を目途とした諸政策が実施され、米国の特許取得数、対外国特許出願数および技術貿易収支などの産業競争力を示す指標は日本を圧倒している。他方、日本では、多額の研究開発費、時間および人材を投入して得られた大学・公立試験研究機関の研究成果、産業界が保有する技術開発成果である特許の多くが自ら使用せず、かつ、第三者にも使用されずにいることから、米国と同様に知的財産権を「財」として位置づけ活用し、経済的な益を得て、さらなる技術・研究開発を押し進める知的創造サイクルを構築する必要があり、そのためには、特許権を中心とした知的財産権を適切かつ強力に保護し、その知的財産権の流通を促進させる特許流通促進施策を行う必要がある。特許流通促進施策は、特許を流通させるためのデータベースの整備、開放特許を利活用しやすくする紹介の工夫、特許流通関係者の出会いの場であるフェアーの開催、知的財産権取引業者の紹介及び育成支援、特許流通アドバイザーの地域への派遣、技術分野別特許マップの作成、大学研究者等向けの特許管理適正化セミナー等の実施及び特許電子図書館の有効利用を図るための検索指導アドバイザーの地域派遣などから構成される。
Copyright (C) Japan Intellectual Property Association All Rights Reserved.