「知財管理」誌

Vol.52 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 52巻(2002年) / 11号 / 1693頁
論文区分 判例と実務シリーズ
論文名 No.289 企業内における発明者の確定
著者 松本司
抄録 原告は、2つの発明につき職務発明をしたとして、該両発明につき特許権を取得した使用者である被告(会社)に対し、特許法35条3項、4項に基づき、特許を受ける権利の承継に対する相当の対価の支払を求めた事案であるが、判決は発明の経緯等から原告が関与したのは試験に用いる機器の開発或いは研究開発環境を整備したにとどまり、発明の特徴部分の創作に関与していないこと、原告は明細書の発明者欄に発明者として記載されていたが、これは被告(会社)には発明者の上司を発明者欄に記載して出願を行う慣行があったことによると認定し、発明者は他の研究員であって原告ではないとの理由で請求を棄却した事案である。本論説は本事案をベースに発明者の確定について考察する。
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