「知財管理」誌

Vol.52 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 52巻(2002年) / 6号 / 747頁
論文区分 論説
論文名 職務発明の相当の対価
著者 大場正成
抄録 最近の東京高裁の判決で、使用者が定める社内規則で職務発明の承継をすることは有効であるが、これに対する対価の定めをしても拘束力がないとされ、規則に基づき支払われた金額が「相当の対価」に満たなければ、発明者は差額の請求ができるとされている。しかし、これは長年わが国の主要企業が行って来た、社内規則による支払の慣行を事実上否定するものである。判決は「相当の対価」を定めこれにより支払えばよいとし、企業側でもそのような規則に改めればよいと考えている向きも多いが、果たして、同判決が満足し、実務上も可能な方策があるだろうか。肝心の「相当の対価」の金額の算出について判決は可能な指標を示しているだろうか。この判決を不服として、両当事者が最高裁に上告受理申立てをしており、最高裁の常識的且つ実務上可能な判決が望まれるが、長年の慣行的実務は現行法上是認されるべきであり、将来に向けた法改正は、企業の自主性を尊重し、自由な市場経済にふさわしいものとすべきである。
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