「知財管理」誌

Vol.52 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 52巻(2002年) / 6号 / 811頁
論文区分 論説
論文名 特許審査における民間能力活用の提案
著者 特許第2委員会第3小委員会
抄録 近年、知的財産権の役割はますます重要になっており、迅速かつ的確な特許審査が望まれるなか、審査滞貨が問題視されるようになってきている。我が国の特許制度において審査滞貨の問題は古く、特許庁も審査処理促進のために種々の施策を行っているのは周知の通りである。しかし、審査滞貨の問題が深刻化してきており、欧米においても有効な審査滞貨解消策が講じられていない現状においては、我が国の審査滞貨解消策について、これまでとは異なる大胆な発想の転換が必要となろう。特許第2委員会第3小委員会では、特許出願の審査処理促進のための特許審査における民間能力活用のあり方について、具体的には「特許庁の特許審査における先行技術調査を民間調査会社が行う制度」、すなわち特許庁が実体調査のための先行技術調査を民間調査会社にも委託できる制度について検討を行った。また、特許第1・第2委員会委員へのアンケートを実施した結果、回答の約8割が本提案の制度を認めてよいとする一方、多くが調査の公正さや質の担保を懸念事項として挙げている。そこで、上記制度創設に関わる種々の課題を抽出・検討し、課題解決のための方策を提案する。
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