「知財管理」誌

Vol.52 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 52巻(2002年) / 7号 / 1015頁
論文区分 判例と実務シリーズ
論文名 No.286 商標の使用及びその類否とインターネットホームページ上の標章 ――ホームページジャムジャム事件――
著者 工藤莞司
抄録 本事件は、インターネットを通じて広告役務等を提供した被告がホームページ上で使用した標章について、商標権の侵害が争われたものである。ホームページ上の標章に関し、また、その商標権の侵害の当否について、我が国最初の裁判所の判断が示された。裁判の中では、被告標章が、商標の使用に当たるか、登録商標と類似するかが争点となった。裁判所は、被告標章を広告役務等に係る商標の使用に当たると認め、ホームページは商標法2条3項3号の「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物」と解した。また、商標の類似については、ホームページに対し、文字列「jamjam」によるアクセスが可能であり、混同の虞が皆無でなないとして類似を肯定して、侵害を認めた。しかし、損害賠償請求については、原告に損害はないとして棄却した。上記各争点に係る裁判所の判断に対して、実務家の立場から検討を試みた。
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