「知財管理」誌

Vol.52 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 52巻(2002年) / 8号 / 1185頁
論文区分 判例と実務シリーズ
論文名 No.287 二次的著作物の利用と原著作物の著作者の権利 ――キャンディ・キャンディ事件――
著者 松村信夫
抄録 本判決は、原作者の原作ストーリーにもとづき、漫画の作画等を行った漫画家が同漫画の一コマ(コマ絵)掲載雑誌の表紙(表紙絵)に描かれた登場人物(主人公)の姿態・表情等の絵及び漫画家が新たにリトグラフ原画として作成した登場人物の絵(本件原画)ももとに作成されたリトグラフや絵はがきについて、同漫画が原作ストーリーの二次的著作物であるとの理由で原作者の著作権法28条にもとづく権利が及ぶことを認めた原判決の判断を維持した。しかし、二次的著作物の利用に対する原作者の権利は当該二次的著作物のうち原作の創作性(その内面的表現形式)に依拠した部分の利用に限定されるべきであり、少なくとも、本判決が本件原画の利用に対しても原作者の権利が及ぶと判断したことについては賛成しがたい。なお、本件漫画を原作者と漫画家の共同著作物と構成する余地もあり、この場合には原作者が上記各方法による利用に同意を拒むことについて「正当な理由」(著作権法65条3項)があったか否かが問題となる。さらに漫画の一部を商品化する場合に原作者の漫画制作に対する寄与を反映する方法としては契約や不正競争防止法2条1項1号を活用する余地がある。
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