「知財管理」誌

Vol.53 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 53巻(2003年) / 2号 / 207頁
論文区分 論説
論文名 歴史上有名な浮世絵の流派の名称と不正競争防止法2条1項1号の周知性要件
著者 宮脇正晴
抄録 本判決は、浮世絵の流派名および家元の雅号につき、周知性の欠如を理由に不正競争防止法2条1項1号の保護を否定したものである。流派名につき、本判決は周知性要件を現在活動する流派として周知であることと解した上で、「歌川派」は歴史的に周知であるに過ぎないとして、同要件を充足していないと判断したが、このような解釈は混同行為を放置する余地を残すものであり、適切でないと考えられる。本件ではむしろ、グループ表示としての「歌川派」の周知性を認めた上で、「他人」性や請求権者該当性の問題、および具体的な混同のおそれについて検討して、被控訴人(被告)の活動が1号の下で(どの程度)規制されうるかについて結論されるべきであったと思われる。その他、需要者の範囲を示すことなく周知性を否定している点も疑問である。
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