「知財管理」誌

Vol.55 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 55巻(2005年) / 13号 / 1909頁
論文区分 論説
論文名 医薬品知的財産保護の現状と課題―延長特許権分析からみる新薬特許保護期間―
著者 桝田祥子
抄録 医薬品に関する特許保護の現状を把握する目的で、1988年以降に新有効成分含有医薬品として承認された224品目(特許権345件、延長登録数553件)について、延長登録特許権に関する実質特許有効期間(EPL)を調査したところ、全体平均11.74年、最長19.31年、最短5.33年、平均延長期間4.13年であった。また、全体品目数の半数以上である125件(55.8%)が10年以上14年未満のEPLを有し、EPLが8年未満である医薬品は14品目(6.3%)、EPLが再審査期間よりも短い品目はわずか3品目であった。
本調査結果より、新たに導入が検討されているデータ保護制度について、保護期間を最長「8年」とするならば、既存の特許制度で保護される医薬品に関しては、その市場独占期間に影響を与える可能性は低いと考えられる。本報では、日本におけるデータ保護制度導入の意義、影響について考察を行う。
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