「知財管理」誌

Vol.55 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 55巻(2005年) / 13号 / 1939頁
論文区分 論説
論文名 特許ポートフォリオ分析の事例紹介―特許技術担当者の視点から,テキストマイニング手法を用いて,膨大な数の特許より有意な情報を簡易に抽出する試み―
著者 特許第2委員会第3小委員会
抄録 近年、群をなしている特許ポートフォリオの価値を全体として分析・評価する手法が脚光を浴びつつある。本稿では、最近の特許ポートフォリオ分析ツールを紹介しつつ、特に特許技術担当者の立場で、注目を集めているテキストマイニングツールを実際に使用して総合的に分析・検討した。特許ポートフォリオ分析へのアプローチとして、(1)量的分析(マクロ分析)、(2)被引用・引用情報等を用いた質的分析(ミクロ分析)による「コア特許」の抽出、(3)量的分析(マクロ分析)と質的分析(ミクロ分析)を相互に連関させた総合的な分析・評価が重要である。このアプローチに従って、具体的に(1)青色発光ダイオード分野、及び(2)電子写真用トナー分野の特許ポートフォリオ分析を行った。テキストマイニングツールは万能ではないが、膨大な数の特許の文書データを直ちにビジュアル化できるため、膨大な数の特許ポートフォリオの構築状況を短時間で把握しようと試みるのには好都合なツールである。特許技術担当者として、テキストマイニングツールのような分析ツールを駆使し、量的分析(マクロ分析)・質的分析(ミクロ分析)に基づく揺るぎない知的財産戦略を迅速に策定し、経営陣に提供することが求められている。
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