「知財管理」誌
Vol.60 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 60巻(2010年) / 11号 / 1871頁 |
論文区分 | 判例研究(No.349) |
論文名 | No.349 綴りが分からない単語を発音から検索できる英語辞書を引く方法の発明性 |
著者 | 古沢 博 |
抄録 | 本件は、綴りが分からなくても、人の音声識 別能力、特に子音に対する識別能力に着目して、 発音から単語を検索できる英語辞書を引く方法 の発明(本願発明)について、特許庁が、自然 法則を利用した技術的思想の創作ではなく、特 許法2条1項の発明に当たらないとして、審判 請求不成立の審決をしたのに対し、知財高裁が、 本願発明は、人間の音声に対する認識能力、特 に子音に対する識別能力が高いことに着目し、 その性質を利用して、正確な綴りを知らなくて も英単語の意味を見いだせるという一定の効果 を反復継続して実現する方法を提示するもので あるから、自然法則の利用されている技術的思 想の創作が課題解決の主要な手段として示され ているとして、特許法2条1項所定の「発明」 への該当性を認め、審決を取り消した事例であ る。 判旨に反対である。 〈参照条文〉特許法2条1項 |