「知財管理」誌

Vol.60 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 60巻(2010年) / 2号 / 275頁
論文区分 判例と実務シリーズ(No.374)
論文名 No.374 使用時に変形する意匠の類否判断――輪ゴム意匠事件――
著者 川瀬幹夫
抄録 本事件は、意匠に係る物品を「輪ゴム」とする意匠登録出願につき、拒絶査定を受け、次
いで拒絶審決を受けた原告が、審決の取消しを求めた事案である。
定置状態での構成態様の相違による美観の相違のみならず、輪ゴムの使用状態(結束状態)の形状
の相違も参酌の上、出願意匠が引用意匠とは類似しないと判断された。
引用意匠との類否判断に際し、他の先行意匠が殆ど参酌されていないこと、輪ゴムが他の物品を結
束する際に変形する使用状態の形状が格別重視されていること、意匠図面中、当該使用状態は参考図
として示されていること等に特徴ある事案である。本稿では、本事件及び意匠の類否判断手法を概観
した上で、本事案の問題点を検討するとともに、実務上の留意点について触れる。
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