「知財管理」誌

Vol.62 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 62巻(2012年) / 7号 / 993頁
論文区分 判例と実務シリーズ(No.409)
論文名 No.409 審判手続の法令違背について
著者 阿部寛
抄録 平成22年(行ケ)第10298号判決は、拒絶査定不服審判を請求するとともにした補正につき、
拒絶理由を通知することなく補正を却下したのについては、適正手続違反があるとして、審決を取り
消した。しかし、特許法53条1項の規定による却下の決定を行うに当たっては、拒絶査定不服審判に
おける補正発明について、査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した場合であっても、同法159条2
項により読み替えて準用する同法50条ただし書の規定により、拒絶の理由を通知することは必要とさ
れていないため、特許庁の審判が、現在の運用を変えるとは考えにくい。また、訴訟費用がかかるこ
とや企業内の知財担当者に作業負担がかかることから、審決に審判手続の法令違背があったとしても
審決取消訴訟を提起することはなかなかできない。このような状況下にあって、出願人の意見等を審
理に反映させていくためには、審判官に対する面接を有効に活用することが重要となってくる。
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