「知財管理」誌

Vol.69 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 69巻(2019年) / 2号 / 275頁
論文区分 判例と実務シリーズ(No. 491)
論文名 (No. 491) 特許権消滅後の審決取消訴訟の訴えの利益/進歩性判断における引用発明の認定─ピリミジン誘導体事件─
著者 速見禎
抄録  本件判決は、12件目の知財高裁の大合議判決である。本件判決は、まず、平成26年改正前の特許法下において、特許無効審判を不成立とした審決に対する取消しの訴えの利益は、特許権消滅後であっても、特許権の存続期間中にされた行為について、何人に対しても、損害賠償又は不当利得返還の請求が行われたり、刑事罰が科されたりする可能性が全くなくなったと認められる特段の事情がない限り、失われることはない、と判示した。
 また、進歩性の一般的な判断枠組を示した上で、引用発明として主張された発明が「刊行物に記載された発明」(特許法29条1項3号)であって、当該刊行物に化合物が一般式の形式で記載され、当該一般式が膨大な数の選択肢を有する場合には、特定の選択肢に係る技術的思想を積極的あるいは優先的に選択すべき事情がない限り、当該特定の選択肢に係る具体的な技術的思想を抽出することはできず、これを引用発明と認定することはできない、という基準を示した。
Copyright (C) Japan Intellectual Property Association All Rights Reserved.