「知財管理」誌

Vol.70 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 70巻(2020年) / 2号 / 252頁
論文区分 判例と実務シリーズ(No. 502)
論文名 (No. 502) 特許法102条2項及び3項に関する知財高裁大合議判決
著者 高橋元弘
抄録  本判決は、特許法102条2項に基づく損害額の算定、同項の推定覆滅、同条3項に基づく損害額の算定について、知的財産高等裁判所が大合議事件として判示したものである。従来の裁判例及び学説を踏まえて、大合議判決において法的解釈を統一すると共に、損害額の算定基準、推定覆滅の基準を示して、考慮要素を例示的に列挙している。これらの基準に基づいて具体的にどのような算定を行っているかについても注目されるが、多くの残された課題も存在する。特に、本判決は、特許権侵害に基づく損害賠償の高額化を企図しているとも考えられることから、本判決を踏まえた損害額の予測可能性を高めるためには、残された課題に関して、従来の裁判例の分析に加えて、本判決の規範を前提とする今後の裁判例の分析が必要となってくると思われる。
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