「知財管理」誌

Vol.72 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 72巻(2022年) / 9号 / 1021頁
論文区分 論説
論文名 IPRエストッペル適用範囲の動向
著者 岸本芳也
抄録  米国発明法(AIA)制定に伴い導入された当事者系レビュー(IPR)手続では、IPR申立人に対する禁反言(IPRエストッペル)規定が設けられている。このIPRエストッペル規定によれば、米国特許商標庁(USPTO)の特許審判部(PTAB)による書面での最終決定がなされた後、申立人がIPRで実際に主張したか、あるいは合理的に主張することができたであろういかなる理由についても、USPTOでの他の手続や、民事訴訟・ITC訴訟(米国国際貿易委員会による関税法第337条調査手続)で提起することができない。2012年9月にIPRが導入されて以来、IPRエストッペルが適用される範囲について解釈が分かれていたが、カリフォルニア工科大学対Broadcom/Apple事件におけるCAFC判決により、IPRエストッペルが及ぶ範囲が「IPRで申し立てられたクレームに対し合理的に主張できたであろう全ての申立理由」であることが明確となった。
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