国際活動

意匠委員会 第9回ID5 年次会合ユーザーセッションへの参加

 2023/9/15(金)、韓国にて開催された意匠五庁(ID5)会合のユーザーセッションに、JIPA意匠委員会の小池副委員長(三菱電機)、野田副委員長(日本たばこ産業)の2名が現地参加しました(この他に意匠委員8名がオンラインにて参加)。
 ID5会合は、世界の8割以上の意匠登録出願を扱う五庁(日本国特許庁(JPO)、米国特許商標庁(USPTO)、欧州連合知的財産庁(EUIPO)、中国国家知識産権局(CNIPA)、 韓国特許庁(KIPO))によって年2回開催されています。本会合は意匠五庁のみが参加する年次会合と、意匠五庁と各国ユーザーが参加するユーザーセッションの2部で構成されており、 ユーザーセッションは、今後の意匠保護に関する国際協力の強化、法制度と実務の国際調和、ユーザーの利便性の向上を目的として、ID5が取り組んでいる プロジェクトに関する質疑応答やユーザー団体からの意見発信が行われます。
 今回のID5会合ユーザーセッションでは「メタバースにおけるデジタルデザイン保護」をテーマに、日本弁理士会と合同で発表を行いました。JIPA意匠委員会参加企業である3社(トヨタ自動車株式会社、ソニーグループ株式会社、株式会社リコー)のメタバース事業事例について紹介するとともに、JIPA意匠委員会からは参加企業各社が抱くメタバースのデザイン保護に関する課題について、日本弁理士会からは法的な視点での課題について発表し、意匠五庁および各国ユーザーと情報共有しました。また、意匠五庁に対して、今後のメタバースにおけるデザイン保護に向けた制度改正にあたり、国際協調を尊重すること、現行法における保護射程を明確にすること、およびユーザー意見を取り入れて検討を進めることを要望事項として発信しました。
 メタバースにおけるデザインについて意匠法での保護の必要性が議論され、法改正に向けた動きもあるなか、日本ユーザーを代表して意見発信を行ったことにより、参加各国における法制度と実務の国際調和、ユーザーの利便性の向上が進むものと期待しています。
 来年度のID5会合は、日本で開催されます。JIPAとしては他国のユーザーと意見交換を実施するとともに各業界団体とも連携を図り、有益な法改正となるよう働き掛けを進めていきます。
  • ユーザーセッションの様子

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