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国際活動
フランス弁理士会(CNCPI)との意見交換
2025年6月4日、フランス弁理士会(CNCPI)のEmmanuel Potdevin会長をはじめとする8名が、JIPA東京事務所を訪問されました。JIPAからは、上野専務理事、吉田常務理事(オンライン参加)、谷口国際第2委員長、野田意匠委員長を含むメンバーが出席し、意見交換を行いました。
会合では、CNCPI側より、欧州統一特許裁判所(UPC)の判例紹介や、欧州意匠制度改正に関する実務的な情報共有が行われ、幅広い議論が展開されました。
会合では、CNCPI側より、欧州統一特許裁判所(UPC)の判例紹介や、欧州意匠制度改正に関する実務的な情報共有が行われ、幅広い議論が展開されました。
まず、統一特許裁判所における実務と判例については、制度施行後2年間の侵害事件および権利取消の反訴事件に関する統計情報、証拠保全のための暫定措置や施設検査の要件、均等侵害の評価要素などが紹介され、意見交換が行われました。特に、単一効特許によって被疑侵害者が訴えられた場合の対応については、参加者間で活発な質疑応答が交わされました。
また、欧州意匠制度の改正については、昨年の法改正内容として、現行制度との相違点や、意匠の定義・表現方法の変更、権利の強化と制限、費用・修理条項・補正に関する事項などが説明されました。これらのうち、費用および修理条項等は2025年5月から、意匠表現や実質的でない部分の補正等は2026年6月から施行される予定です。こうした改正情報は、今後のEUへの意匠出願戦略を検討するうえで非常に重要であり、特に費用、修理条項、Dマークの運用、直近の無効審判の動向などに関しては、参加者の関心も高く、非常に活発な質疑応答が行われました。
今回の会合を通じて、欧州の知的財産制度に対する理解が一層深まり、極めて有意義な意見交換の機会となりました。
