「知財管理」誌

Vol.48 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 48巻(1998年) / 4号 / 563頁
論文区分 資料
論文名 WIPO特許法条約第5回専門家会合について
著者 勝山浩史
抄録 1997年12月15日から19日にかけて、WIPO国際会議場(WIPO本部:ジュネーブ)で特許法条約の第5回専門家会合が開催された。本条約は、「利用者の利便性(user-friendly)」の観点から、特許に関する書類記載事項と手続きとを簡素化し、国際調和を図ることを目的としている。会合は恒例に従い、議長団選出の後、一般宣言が各国政府代表および民間団体から表明された。その後、WIPO事務局が作成した条約草案について、条文およびその関連規則ごとに検討がなされた。今回の条約草案では、(1)「条約で適用する出願および特許」に関する条文の全面改訂および(2)「国内法または広域条約によって設定された期限の延長」という条文が「更なる手続き:権利の回復」に変更するという大きな変更と共に、主に前回の専門家会合での合意に基づいた変更がなされている。代理に関する問題および料金に関する問題が未解決になっているものの、今回の条約草案は各国代表に基本的に支持されており、外交会議に諮る最終形に近いことは間違いない。WIPOの予算上の問題から、次回の専門家会合が開かれるかどうかは微妙であり、今回の会合において次回の日程は発表されていない。
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