「知財管理」誌

Vol.48 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 48巻(1998年) / 8号 / 1237頁
論文区分 論説
論文名 米国での化学分野における「ベストモード要件」―判断実務と注意点―
著者 国際委員会第2小委員会
抄録 “発明を実施するのに発明者が最良と考える態様を記載しなければならない。”と、米国特許法112条第1パラグラフに規定されるベストモード要件に関する基準は、近年のCAFC判決を通してほぼ確立されるに至っている。ベストモードは発明者の認識の問題であり、出願審査段階において問題とされることは殆どない。しかしながら特許訴訟においては、特許を攻撃する側はしばしばベストモード要件違反に基づく特許無効を主張するし、実際にこの理由により特許が無効とされた例も少なくない。米国で権利行使可能な強い特許を取得するために、出願時点でこの点をチェックし、明細書に反映させることは重要である。本稿では、主に1980年以降の化学分野の審判決から見たベストモード要件についての判断基準、判断方法を紹介するとともに、明細書作成に当たっての注意事項を、化合物(組成物)及び製法の発明に関する仮想事例を用いて実務的な面から検討した。
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