「知財管理」誌

Vol.51 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 51巻(2001年) / 2号 / 213頁
論文区分 判例と実務シリーズ
論文名 No.269 冒認出願と権利の承継 ―冒認の主張に対して、実用新案登録をうける       権利の承継を認めた審決取消請求棄却事例―
著者 芹田幸子
抄録 磁気ビデオテープの磁気テープ用ガイドに関する実用新案権をめぐる事案である。その存続期間満了直前に実用新案権者Yから、実用新案権侵害を理由としてX1に対し磁気テープ用ガイドの製造販売差止の仮処分の申立てがなされ、次いで、X2に対し損害賠償請求の訴が提起された。これに対してX1、X2から、出願人Yのかつての会社代表者であり、出願明細書に発明者として掲記されているところのBが、件外A1の考察を冒認してYが出願したものであるとの冒認出願の無効理由他を主張して、無効審判請求がなされたが、審判請求は成り立たずと審決され、その審決取消訴訟が本論考のテーマである。考案はいつ完成したか、考案者はだれか、実用新案登録をうける権利の承継があったといえるか、実用新案法37条1項5号の解釈、冒認を理由として冒認をされた者でない第三者が無効審判請求をすることの是正等が論点である。また、出願から10数年後という時間を経た後の冒認出願の主張につき、裁判所の事実認定の仕方についても興味深い事案である。
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