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WIPO PCT-WG 8th Sessionへの委員派遣

 スイス・ジュネーブのWIPOにおいて、2015年5月26日から5月29日にかけて開催されたPCT作業部会(PCT-WG)に、JIPAは、吉岡 国際第2委員会委員長 (NEC)、秦 国際第2委員会副委員長(パナソニックヘルスケア)、及び、植木国際第2委員会委員(古河電工)を派遣し、日本産業界の意見表明を行いました。
このPCT-WGは、PCT総会に提案すべき議題を、加盟国の政府、国際機関代表、およびユーザ団体が一堂に会して事前に協議する国際会議で、2008年より開催され今年で8回目になります。

 今回の会議では、主に(1)PCT制度の将来の発展に向けた国際段階の各種手続きに対する改善策、(2)近年の技術の進歩や通信情勢を鑑みた、手続の簡素化や記述される情報の高度化を図る趣旨でのPCT規則の改善提案、を中心に、現行制度が有する諸課題及びそれらへの取組について、先進国・途上国、政府・ユーザという制度に関わる全ての立場からの意見が聴取され、加盟国間での合意形成が図られました。

 JIPAは、特許庁・ユーザ双方にとってメリットのあるPCT制度の適切な発展という視点から議論に参加し、特に、(1)については、国際調査の質の改善に向けた補充国際調査のレビューに関して、ユーザへの効果の観測と公開への期待を表明し、(2)については、国際段階から国内段階への移行についてPATENTSCOPE等での一元的な表示と正確な情報の発信についての期待を述べ、これらの内容が議長サマリーにも明記されました。

 また、今回は、作業部会の開催期間中に、技術協力委員会(PCT-CTC)が合わせて開催されました。同会議では、Visegrad特許庁 の国際調査機関・国際予備審査機関としての任命の適否が議論され、同議論の結果としてCTCによる支持が形成されました。これにより今秋予定のPCT総会へ同内容が提案され、その採択が議論される予定です。

 次回のPCT-WGは2016年の同時期に開催され、今回の議題の詳細を継続して協議する予定となっています。JIPAは、PCT制度の適切な発展に向け、今後も、世界から期待されるユーザ団体としての意見を表明していく予定です。 

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[Update 2015-06-16 ]