| 掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 76巻(2026年) / 8号 / 1080頁 |
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| 論文区分 | 海外注目判決 / 論説 |
| 論文名 | 海外注目判決:No.119[米国]Agilent連邦控訴審判決と先行技術に関する実施可能要件の考察 |
| 著者 | 土井 悦生 |
| 抄録 | 2023年5月の米国Amgen連邦最高裁判所判決は,35 U.S.C. 112(a)条1)の実施可能要件に関し従来の判例法理を変更したものではないが,full scope enablementの考え方を改めて強調し,より厳格に判断する方向性を明確にしたため,その後の審査・訴訟実務に大きな影響を与えた。その約2年後の2025年6月11日,Agilent連邦控訴審判決において,102条の新規性判断における先行技術の実施可能性の判断基準が示された。同判決は連邦最高裁判所に上訴されたが,連邦最高裁判所は2026年3月30日に上訴を却下し,Agilent連邦控訴審判決が確定した。Agilent連邦控訴審判決で示された先行技術の実施可能性の判断基準は,Amgen判決の示す112(a)条の実施可能要件と明確に異なるものである。また,従来の米国判例における規範を踏襲するものではあるものの,当該基準が未成熟技術分野や予言的実施例にも適用されることが明確に確認された点,さらに,その判断基準が日本法実務における先行技術の実施可能性判断と必ずしも一致するとはいえない点に鑑みると,日本企業における日米特許実務戦略に与える影響を無視できない判決といえる。 |
