| 掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 73巻(2023年) / 7号 / 801頁 |
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| 論文区分 | 論説 |
| 論文名 | 国境を越えた製法特許発明の実施 |
| 著者 | 髙部眞規子 |
| 抄録 | グローバル化に伴って、国境を越えた特許権侵害の成否が争われる事案が登場している。従前、属地主義の原則を厳格に適用して、国境を越えた行為が特許権侵害を構成しないとする裁判例があったが、近時は、行為の一部が国境を越えた場合であっても、特許発明の実施行為に該当するという裁判例が登場している。本稿では、属地主義の原則の意義を再確認した上で、物を生産する方法の発明を念頭において、国境を越えた行為の特許権侵害の成否を検討する。属地主義の原則を厳格に適用した結果不当な結果が生じることは、我が国の特許権の保護が十分でないことにつながるところ、これを柔軟に解釈する場合には、刑事罰の対象にもなっている特許権侵害に該当するか否かの判断基準として明確であることが要請される。解釈の限界があるとすれば、予測可能性を高めるためにも立法を検討する時期ではなかろうか。我が国の特許権の効力範囲をいかに定めて特許発明を保護していくべきか、属地主義の原則の有する意味を再考し、国際調和を図っていくことが重要である。 |
