「知財管理」誌
Vol.75 記事詳細
| 掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 75巻(2025年) / 11号 / 1598頁 |
| 論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 567) |
| 論文名 | (No. 567)延長登録に係る特許権の効力について ─止痒剤特許権侵害差止等請求控訴事件─ |
| 著者 | 濱田百合子 |
| 抄録 | 医薬品に係る特許権の存続期間の延長制度に関して、平成21年の厚生労働省の運用変更(いわゆる虫食い申請)に伴い、延長される特許が医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、薬機法)の政令処分に応じて細分化が認められ、二つの最高裁判決及び二回の特許庁審査基準の改訂を経て、現在、各処分ごとに存続期間が延長されている。かかる状況下、発明の名称を「止痒剤」とする特許権侵害訴訟の控訴審判決が言渡された。延長登録された特許権の効力に関して、「オキサリプラチン事件」知財高裁大合議判決において、被告製剤と原告製剤とが実質同一である場合には効力範囲に含まれると判示され、4つの類型が示されたが、諸説の論評があった。本判決では、上記大合議判決の規範に従い、医薬用途発明に係る延長登録された特許権の効力に関し、被告製剤と原告製剤とが実質同一であると判断され、今後の実務において大いに参考になる判決である。 |
