「知財管理」誌

Vol.75 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 75巻(2025年) / 6号 / 653頁
論文区分 論説
論文名 国際標準の戦略的活用に向けた 知財部門の行動変容について
著者 福山章子
抄録  「国際標準化」はそれ自体が目的ではなく、製品・サービスの市場を拡大または創出するためのツールのひとつだ。本稿では狭義の「国際標準化」に焦点を絞らず、日本企業が「技術で勝る」時代が変化した現在に求められる、標準化を活用したルール形成、ルール形成による市場拡大・市場創出を見据えた企業の行動変容について解説する。これらには、政府を巻き込む規制や法令上の基準の策定・改訂のみならず、民間企業主導で策定ができる規格・標準や民間認証・調達ガイドラインがある。長期間を要するイメージが強いルール形成や市場形成には、ファスト・トラックの仕組みや「新製品・新サービスがなくてもできる」ことがある。大企業や特定の産業のみを対象にしたものでもない。ルール形成を通じた新たな市場の創出はビジネスの売上・利益にもインパクトを与える。「我が社には関係ない」で終わらずに「できることは何か」から考えていきたい。
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