「知財管理」誌
Vol.75 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 75巻(2025年) / 8号 / 955頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | インドでの標準必須特許紛争の概要─独自の救済手段に基づく攻撃・防御に関する一考察─ |
著者 | 今浦陽恵 |
抄録 | 標準必須特許(SEP)を巡り、インドは紛争解決地の一つとしての地位を確立している。その理由の一つには、インド司法が「暫定実施料提供命令」という独自の救済措置を採用している点を挙げることができる。そこで、本稿では、同命令を中心にインドでのSEP訴訟について整理・分析した。分析結果として、同命令が6類型に細分化でき、SEP保有者側や実施者側からの申請によって発令されうる点、終局判決を得るには相当程度の期間を要するため、恒久差止を得られていない点、終局判決時に命じられる損害賠償額は、同命令で命じられる暫定実施料よりも高額となる傾向にある点などを示した。また、この結果を踏まえ、両当事者の攻撃・防御戦略について若干の考察を行った。具体的には、SEP保有者側の戦略として、実施者に対して販売数量等の定期報告を命じる命令を得ることや、SEP実施者側の戦略として、特許権の有効性・必須性や妥当な実施料に対して相場観が形成された段階で和解を目指すことの重要性を示した。 |
