「知財管理」誌

Vol.75 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 75巻(2025年) / 8号 / 992頁
論文区分 論説
論文名 独占適応性と識別力について─商標法3条1項3号と同項6号の関係─
著者 小椋崇吉
抄録  商標法3条1項が識別力を有しない商標の商標登録を認めない規定なので、同項3号と同項6号も同質の規定と考え、同項6号を総括規定と解すると、同項3号に該当する商標なのか必ずしも明らかでないとき、同項6号を適用して良さそうである。ところが、このような識別力を有しない商標の概念と異質の概念、独占適応性を有しない商標の概念が登場すると、同項3号と同項6号を同質の規定と考えることが難しくなる。両号を異質の規定と考えると、同項6号を補充規定と解しやすくなる。同項3号に該当する商標か否かが争われたワイキキ事件とGEORGIA事件の2つの最高裁判決、同項6号に該当する商標か否かが争われた奇跡のラカンカ事件、クエン酸サイクル事件とUVmini事件の3つの知財高裁判決、これら判決例を合わせて検討すると、論理的には同項6号を補充規定と解すべきとなりそうである。他方、同項6号を総括規定と機能させたい判決例の傾向も見受けられる。
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