中国実用新案の進歩性判断基準の運用実態掲載巻(発行年) / 号 / 頁63巻(2013年) / 6号 / 831頁論文区分特集論文名中国実用新案の進歩性判断基準の運用実態著者榮元敏公抄録中国の「専利審査指南」(日本の「審査基準」に相当)において、「実用新案専利の進歩性の基準は発明専利の進歩性の基準より低くすべきである」とされている。その基準の違いは、実用新案専利の進歩性を判断する場合に、通常、発明専利の場合に比べて、考慮する技術分野の範囲及び引用する公知技術の数が制限されることにある。しかし、「専利審査指南」は審査及び審判の段階で依拠する基準であって、法令ではないので、人民法院(裁判所)はそれに拘束されないと考えられ、無効審判及び審決取消訴訟において、実際に同じ基準で進歩性が判断されるのかが疑問視されていた。この疑問は中国の実用新案制度を利用しようとする日本の出願人にとっては最大の関心事とも言える。本稿では、最高人民法院の判例をはじめ、判決が確定した審決取消訴訟309件を調査した結果に基づき、実用新案専利の進歩性判断基準の運用実態について考察する。