第2回関西化学部会を開催しました

2026年9月29日(火)に、本年2回目となる関西化学部会を開催いたしました。

株式会社イーパテント代表取締役社長/知財情報コンサルタント®の野崎篤志様を講師としてお迎えし、「現場で効くIPランドスケープ実践~知財担当者は知財情報の通訳・翻訳者へ~」についてご講演いただきました。

本講演では、IPランドスケープを行う際の分析手法や使用するツール、分析結果の見せ方といった狭い意味での知財担当者のスキル等に着目した内容ではなく、IPランドスケープの価値が企業全体として認められ、普及していくために必要な知財担当者が果たすべき役割や留意点、他部署との関係構築といったより広い意味での知財担当者が持つべきスキル・マインドセットについて、近年急速に発展を遂げた生成AIの活用も踏まえて、非常に示唆に富んだ内容をお示しいただきました。

本講演の重要な示唆の一つとしては、「IPランドスケープをやることを目的としない。」という点が挙げられます。IPランドスケープにおいては、しばしば分析結果を様々なツールを用いて視覚化した美麗なパテントマップやバブルチャートなどが利用されており、ともすれば、そういったものを作成することがIPランドスケープだと認識されている場合もあります。しかし本講演では、IPランドスケープとは知財情報の分析結果を経営、事業、R&Dの意思決定に活用することであり、それは「知財情報の分析⇒レポート提出」で完結するものではなく、「依頼者の課題の把握⇒知財情報の分析⇒依頼者との対話⇒意思決定」までの一連の活動としてとらえることが肝要であるとご説明いただきました。  

その中で知財担当者の役割としては、まず依頼者とのコミュニケーションの中で、依頼者が抱えている課題を把握し、それを分析に際しての「問い」を設計すること。また近年は生成AIの発展等により、知財情報の分析に関しては大きく効率化が進んでいるが、最後に分析によって得られた結果を依頼者にとって理解しやすい形に通訳・翻訳して伝えることで、その意思決定に伴走していくことが今後ますます重要になってくるとのことでした。

また、そのような活動を継続し、社内認知度を高めていくためには、「草の根」から小さな成功を積み重ねていくことや、知財部門単体で取り組まず、他部門を最初から上手に巻き込んでいくこと、分析の完成度にこだわらず、途中経過をどんどん依頼者と共有することで伴走を意識することなども大切とのアドバイスもいただきました。

ご参加いただいた会員企業の皆様からは、事前に多数のご質問をいただき、先生からのご回答をエクセルファイルにまとめて参加者に共有いたしました。

講演会後に開催した懇親会は、先生をはじめ当部会参加者の皆様が親睦を深める良い機会となりました。

<開催要項>

2026年度関西化学部会
第1回開催日2026年9月29日(火)14:00~17:00 (懇親会:17:30~20:00)
開催形式対面
場所・施設見学JIPA関西事務所
講演現場で効くIPランドスケープ実践~知財担当者は知財情報の通訳・翻訳者へ~
講師株式会社イーパテント代表取締役社長/知財情報コンサルタント®の野崎篤志様
参加者63名・47社(講師1名、当部会役員・幹事を含む)