米国特許商標庁(USPTO)宛に、“Comments on Requirement to Identify All Real Parties in Interest to a Third Party Request for an Ex Parte Reexamination” [Docket No. PTO-P-2025-0545] に対する意見を提出しました。
背景
米国では、非実施主体(NPE)による特許訴訟や訴訟資金提供者の活動が引き続き見られる中、特許の有効性を適切に争う機会の確保が重要となっています。
今回の規則改正案では、当事者系レビュー(IPR)・付与後レビュー(PGR)に係る禁反言の適切な適用等を目的として、第三者が査定系再審査(EPR)を請求する際に、すべての実質的利益当事者(RPI)を特定する陳述書の提出を義務付けることが提案されています。
JIPAは、禁反言規定の遵守という趣旨は理解するものの、EPRはUSPTOの審査過誤を是正し、公衆の利益を守る重要な制度であり、利用に新たな負担を課すことには慎重であるべきとして、規則改正案の再検討を求めました。
また、本規則案は、JIPAが2025年12月に意見を提出したPTABにおけるIPR開始規則改正とも関連しています。
意見の概要
規則改正の必要性を明確にすべき
禁反言の対象となる不適切なEPR請求の件数や、匿名性によって判断が困難となった事例等を具体的なデータで示し、規則改正の必要性を明らかにすべきです。
より負担の少ない方法を検討すべき
すべてのEPR請求に一律にRPI特定を求めるのではなく、禁反言が実際に問題となり得る場合に限定して情報を求めるなど、請求人・USPTO双方の負担が少ない方法を検討すべきです。
RPI情報は原則非公開とすべき
RPI情報は商業上機微な情報となり得るため、請求人の申出を要件とせず原則として秘密情報とし、明示的に公開を選択した場合のみ公開すべきです。
情報の利用・管理ルールを明確化すべき
RPI情報へのアクセス範囲、利用目的、他機関等への提供、保存期間、削除方法等を明確にし、特許権者への開示がないことも明示すべきです。
RPIの判断基準を明確化すべき
RPIに該当する具体例、「合理的調査」の範囲、判断の基準時、更新義務の有無等を明確にすべきです。
善意の訂正を認めるべき
合理的な調査に基づく善意の特定については、後日の訂正を認め、請求日の喪失や制裁等の不利益を課さないセーフハーバーを設けるべきです。
保守的な記載を自認と扱うべきではない
予備的・保守的にRPIを記載した場合、その記載のみを理由に法的なRPI該当性を認定したり、後続手続で不利益に扱ったりすべきではありません。
後続IPRへの影響を明確化すべき
EPRで提出されたRPI情報が後続IPRの開始判断に利用される場合でも、当該記載が他の手続におけるRPI該当性について推定又は拘束的効果を生じさせないことを明確にすべきです。
以上の点から、JIPAはUSPTOに対し、EPRの利用機会を不当に制限せず、実効性と利用者負担の双方を踏まえた制度となるよう、規則改正案の再検討を求めました。
