| 編著 | 弁理士法人酒井国際特許事務所 編 |
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| 出版元 | 発明推進協会 A5判 284p |
| 発行年月日・価格 | 2025年6月発行 3,080円(税込) |
欧州特許出願の実務に携わる方々にとって,最新の情報と実践的な知見を網羅した一冊が誕生しました。それが「NEW 欧州特許出願実務ガイド」です。本書は,2017年版から大幅な改訂を経て,2023年6月にスタートした単一効特許制度をはじめとする最新の制度動向を反映し,より実務に即した内容へと進化しています。
まず本書の最大の特徴は,欧州特許出願に関する基礎知識から,実際の手続,審査,異議申立て,さらには単一効特許や統一特許裁判所(UPC)など,近年の大きな制度変更までを,体系的かつ実務目線で解説している点です。
第1章は出願ルートや出願書類など欧州特許基礎情報がまとめて提供されています。そして第2章では,単一効特許制度について新たに章を設け,制度の概要や申請手続,留意点を最新情報に基づき丁寧に説明しています。第3章では,特許要件が基礎と特例に分けて整理されています。また,第4章「出願時の手続と方式審査」から第8章「審判手続」そして第10章「減縮と取消」までは,図表を多用し,複雑な手続や判断基準をできる限りシンプルに解説されています。実務担当者が現場で直面する疑問や判断に,目次から検索し,直ぐに役立つ実践的な内容となっています。
さらに,審査請求やサーチレポート,許可通知などで求められる判断や対応についても,クリアで分かりやすい説明が盛り込まれています。前版(2017年版)と比較して,ページ数をスリム化しつつも,内容の充実度はむしろ増しているとも言え,持ち運びやすい「手頃なテキスト」としての利便性も向上しています。
本書の編集には,多数の実務家や専門家が協力し,解説の正確性や読みやすさ及び最新情報を体系的にカバーすることを目指しています。例えば,分割出願の検討,許可通知受領時の展開国の検討,UPCの判例を読むなど日々の業務の中で疑問を感じた際には,特定のトピックを選んで熟読することで,欧州特許実務に関する知識を深めることができます。審査便覧,規則なども本文及び脚注に補足されているため,直ぐに原文に当たり,詳細を確認することもできます。
奇しくも弊社において欧州特許制度のまとめを行っているところで,本書は,最新情報の確認に非常に役に立ちました。特に,単一効特許制度については,制度開始時のセミナー受講等を通じたインプットにより,日々の通常案件には対応できていましたが,本書をもって,改めて制度全体をおさらいすることができたことで,より自信を持って実務にあたることができるようになりました。
また,新設されたUPCの動向には多くの注目が集まっていますが,日々アップデートされる情報を追うにあたって,その都度,基礎的な知識を確認することにも本書は大変役に立ちます。
「NEW 欧州特許出願実務ガイド」は,欧州特許出願の基礎から応用まで,最新の制度と実務を体系的に理解するのに有用なため,欧州特許に関わる全ての実務家に,ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
(紹介者 会誌広報委員 yh)
