第2回関西化学部会を開催しました

 2025年9月12日(金)に第2回関西化学部会を開催いたしました。
 細田国際特許事務所の弁理士 細田芳徳様を講師としてお迎えし、「特殊パラメータ特許に対する被疑侵害者の基本戦略」についてご講演いただきました。

 特殊パラメータ特許とは、独自の数式や複数のパラメータの組み合わせによって特定される(特許)発明であり、我々化学メーカーの間では厄介な存在として認識されています。今回、この特殊パラメータ特許が競合他社により出願された場合及び権利行使された場合の対処法として、(1)特許の無効化・取消化(情報提供、無効審判、異議申立)と(2)非侵害主張という2つの基本戦略が存在することをお示しいただきました。

  1. 無効化・取消化戦略では、特殊パラメータ特許が記載要件違反を指摘されやすい特性を有していることを逆に利用し、主に①実施可能要件違反(具体的指針がなく過度の試行錯誤が必要)、②サポート要件違反(少ない実施例で広範囲のパラメータを裏付けられない)、③明確性要件違反(パラメータの技術的意義や測定方法が不明瞭)を攻撃のポイントとすることを、実例を交えて解説いただきました。
  2. 非侵害主張戦略では、公然実施による新規性否定や先使用権の主張ではイ号製品のパラメータ情報が少なく立証が困難である一方、測定法に関連した権利行使不可の主張では明細書にパラメータの測定方法の記載がない場合に有効であることを説明いただきました。対処法としては、まず自社製品のパラメータを正確に分析して非侵害主張の可否を検討し、次に記載要件の不備や公知技術を根拠とした無効化を目指します。日頃から詳細な製品製造記録やサンプルの保管が重要ですが、非侵害主張が不調に終わった場合は設計変更による特許回避やライセンス交渉も視野に入れた対応が必要となることにも言及いただきました。

 ご参加いただいた会員企業のみなさまからは、「ピタバスタチン事件のように保管していた製品の物性が変化してしまう場合どのような対策を打てば良いか」、「明細書に測定方法が記載してある場合、特許発明の技術的範囲に属しない数値範囲を敢えて測定して非侵害であるということはできるか」など、多数のご質問をいただきました。
 講演会後に開催した親睦会は、細田先生をはじめ当部会参加者の皆様が親睦を深める良い機会となりました。

<実施概要>

2025年度関西化学部会
第2回開催日2025年9月12日(金)15:00~17:00 (懇親会:17:30~19:30)
開催形式対面
場所大阪天満橋OMMビル2階会議室(201号室・202号室)
講演特殊パラメータ特許に対する被疑侵害者の基本戦略
講師細田国際特許事務所 弁理士 細田芳徳 様
参加者70名・45社(細田国際特許事務所 弁理士 細田芳弘様、当部会役員・幹事を含む)