2025年11月14日(金)から15日(土)にわたり、「2025年度 関西三業種合同部会」を開催いたしました。当日のプログラム等は、次の通りです。
<実施概要>
| 2025年度 | 関西 三業種合同部会(関西化学・関西電機サービス・関西金属機械) |
|---|---|
| 第1回開催日 | 2025年11月14日(金)~ 11月15日(土) |
| 開催形式 | 集合 |
| 場所・施設見学 | 三菱ケミカル株式会社「KAITEKI SQUARE Yokkaichi」 |
| 講演① | 「三菱ケミカルの知財活動 ~特に組織文化醸成と人材育成の観点から~」 |
| 講師① | (株)三菱ケミカルリサーチ 取締役 情報センター部門長 阿部 仁 様 |
| 講演② | 「知財戦略推進事務局における活動と知財推進計画2025の概要」 |
| 講師② | 特許庁 審査監理官 山本 英一 様 |
| 講演③ | 「知財を巡る最新のトピックス ~最近のJIPA・関西事務所の取組み~」 |
| 講師③ | 日本知的財産協会(JIPA) 事務局長代行・関西事務所長 松本 宗久 様 |
| 参加者 | 参加者合計:43名(参加会員:41社41名、JIPA:1名、その他:1名) |
講演①では、 (株)三菱ケミカルリサーチの阿部 仁 様より、複数社の知財部門が統合する過程で直面した課題と、それを乗り越えるための組織文化醸成および人材育成について、実体験に基づきご講演いただきました。
まず、三菱化学、三菱レイヨン、三菱樹脂の3社統合時(2017年)に「知財部運営の考え方」として、知財部門の組織運営方針や各業務(出願対応、外国出願の目的など)の基本事項を明文化した事例を紹介いただきました。これは、業務判断の拠り所となる「知財部の憲法」として機能し、異なる背景を持つメンバー間の共通の価値観を創生する基盤となっていると説明がありました。
さらに、この価値観を浸透させるため、会議や月報エッセイなどを通じて重要なメッセージをトップから継続的に発信した事例や、組織体制においても、従来の縦割りを排し、柔軟性を持たせるため、従来の拠点別組織から事業単位の大きなチームへと再編され、事業戦略に沿った知財活動(特に権利活用)を重視する体制が構築された事例もご紹介いただきました。
これらの施策を支える人材育成の面では、多様な経験がリーダーを育てるとの考えのもと、意図的な人事異動(事業部門、法務部、内閣府への出向など)やJIPAなど社外活動への積極的な参加を推進し、また、「実務能力」と「マネジメント能力」は別であると明確に定義し、適材適所の人材配置が行われた点もご紹介いただきました。
講演②では、特許庁の山本 英一 様をお迎えし、日本の競争力低下やAIの急速な発展といった最新の環境変化を踏まえた、政府の「知的財産推進計画2025」の全体像についてご講演いただきました。
山本様からは、日本のグローバルイノベーション指数(GII)が低迷する一方、今後は「イノベーション人材の減少」と「AIの急速な発展」が重大な環境変化となるとの基本認識が示されました。
この状況下で、国の新たな中核概念として「IPトランスフォーメーション」が打ち出されたことをご説明いただきました。これは、日本の強み(技術力、コンテンツ力等)でグローバルな知的資本(人材、知)を日本に誘引・集積させ、国内外の社会課題解決と経済成長を目指す新たな知的創造サイクルであるとのことです。
続いて、計画を支える3つの柱として、①知財・無形資産への投資を促す「イノベーション拠点としての競争力強化」、②AI利用発明の定義明確化などを含む「AI等先端デジタル技術の利活用」、③クールジャパン戦略や国際標準化戦略を推進する「グローバル市場の取込み」について、それぞれ詳細に解説いただきました。
その他、技術流出防止や海賊版対策といった「保護の強化」、産学連携やスタートアップ支援といった「活用の強化」の両面で施策が推進されることにも言及いただきました。
講演③では、JIPA関西事務所長 松本 宗久 様より、JIPAの最新の活動方針と、特に関西地区の会員に向けた取組み、および「生成AI」への対応について紹介いただきました。
最新トピックである生成AIへの対応としては、JIPA内に「AI・DX研究会」などの情報交換の場を設け、会員企業の活用を支援することが示されました。
また、JIPA関西事務所の現状と課題が示され、これらに対する具体的な活動も紹介いただきました。
参加いただいた会員企業のみなさまから多数の質問が寄せられ、講師の方々を交えて活発な議論が行われました。1日目の講演会後に開催した懇親会では、講演会講師にもご出席頂き、幅広く意見・情報交換を行い、会員相互の親睦を深めました。

