フランス弁理士会(CNCPI)との意見交換

2026年6月25日、フランス弁理士会(CNCPI)のNathalie Wajs 及びJean-Baptiste Milienの両副会長をはじめとする8名が、JIPA東京事務所を訪問されました。JIPAからは、上野専務理事、林国際第2委員長、岩見同副委員長が出席し、意見交換を行いました。

冒頭、双方の参加者による自己紹介に続き、JIPA側から国際第2委員会の活動を紹介し、近年は欧州統一特許裁判所(UPC)の動向やビジネス目線での欧州知財制度の活用についても重点的に情報収集・分析を進めていることを説明しました。

続いて、CNCPI側から、2023年6月に運用を開始した欧州統一特許裁判所(UPC)の最新動向について講演が行われました。UPCの組織構成や事件数の推移、近年蓄積された判例の概要に加え、欧州特許紛争実務における役割や今後の展望について説明がありました。特に、近時の控訴裁判所判決を踏まえたクレーム解釈について詳しい解説が行われ、クレーム文言を出発点としつつ、明細書や図面を含む特許全体の技術的開示を考慮するUPCのアプローチや、欧州特許庁(EPO)の実務との共通点・相違点など、実務上重要なポイントが紹介されました。

また、UPCにおける証拠保全(Preservation of Evidence)や仮差止命令(Preliminary Injunctions)の制度についても説明がありました。証拠保全の手続や営業秘密への配慮、仮差止命令における特許の有効性、侵害の蓋然性、緊急性、比例性、利益衡量などの判断要素について、判例やフランス国内実務との比較を交えながら紹介されました。

質疑応答では、日本企業がUPCを利用・対応する際の留意点や、近時の判例動向、実務運用に関する質問が多数寄せられ、活発な意見交換が行われました。

今回の意見交換会を通じて、UPCにおける最新の実務動向や判例形成の状況について理解を深めるとともに、日本企業にとって有益な知見を共有する貴重な機会となりました。JIPAでは、今後も海外知財団体との交流を通じて、会員企業への情報提供と国際的な知財制度に関する理解促進に取り組んでまいります。